著作権とは

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 読書、音楽・絵画・写真鑑賞、動画閲覧等で身近な存在である著作権について説明します。
 著作権とは、自己の著作物を他人により無断で複製等されない権利であり、他人の著作物を無断で複製等すると著作権侵害となり、侵害者は民事責任(差止請求、損害賠償請求等)を負うほか、刑事罰(懲役、罰金)の対象となります。
この著作権の内容等については、我が国では、著作権法により定められていますので、その内容等について以下に説明します。



著作物

 著作物とは次の①及び②の2つの条件をすべて満たすものとなります。
  ① 文芸、学術、美術又は音楽のカテゴリーに属するもの
  ② 思想又は感情を創作的に表現したもの

 ①により、美術工芸品は美術の著作物に含まれるとされていますが、例えば量産される工業製品のデザインは著作物には該当しません。

 ②の「思想又は感情」より、事実それ自体(歴史的事実、物理法則等)は著作物には該当しません。
ただし、学術論文等においてその事実の表現方法(記述の仕方等)に創作性が認められれば、著作物に該当します。
 ②の「表現」より、「思想又は感情」自体も著作物には該当しません《注記》※1。例えば、物理法則の学説自体はどんなに優れたものであっても、著作物にはなりません。
 ②の「創作性」は、模倣せずに独自に創作したものであれば、そのレベルは問題となりません。例えば、幼稚園児自らがクレヨン等で描いた絵であれば著作物となります。著作権は人格的側面もあり、経済的価値があるか否かとは別問題です。
 また、他人の著作物と類似していても、創作は独自に行なったものであれば、創作性が認められて著作物となります。この場合には、類似した表現の著作権が並立することになりますが、各著作権者は自己の著作物の表現を利用する限り、他の著作物の利用とはならないため支障となりません。
 事実や状況、感情等を表現する場合に、一般人が通常使用するような表現やありふれた表現には創作性は認められません。「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展を寄与することを目的とする」著作権法の趣旨に反し、一般人の表現を制約することになるからです。
そのため、言語の著作物の場合、一文や短い文章は、通常、創作性が認められないことが多くなります。
 著作物を具体的に例示すると表1のようになります。

表1 著作物の例

(a)言語の著作物 小説、脚本、論文、講演等。事実の伝達にすぎない雑報、時事の報道は著作物に該当しません。
(b)音楽の著作物 楽曲、楽曲を含む歌詞、旋律だけが主要な要素である浪曲。即興演奏も含まれます。
(c)舞踏、無言劇の著作物 振付(振付自体が著作物であり、舞踏行為は著作物ではありません《注記》※2
(d)美術の著作物 絵画、版画、彫刻、漫画、劇画、生花、舞台装置、書《注記》※3
(e)建築の著作物 住宅、ビル、神社仏閣、橋梁等等の立体的な建築物《注記》※4 。ただし、すべての建築物ではなく、芸術的価値のある建築物が著作物となります。
したがって、通常の住宅建築等は著作物とはなりません。
(f)地図、図形の著作物 学術的な性質を有する図面、図表、模型等
(g)映画の著作物 劇場用映画、テレビ映画、ゲームソフトの映像等
(h)写真の著作物 印刷写真、ネット掲載写真
(i)プログラムの著作物 アプリケーションプログラム《注記》※5 、オペレーションシステムのプログラム、言語プロセッサ等のプログラム。プログラム言語、規約、解法は含まれません。
(j)二次的著作物 上記(a)〜(i)の著作物(原著作物)の翻訳、編曲、変形、脚色、映画化等により創作した著作物
(k)編集著作物 素材の選択又は配列により創作性を有するもの。例えば、百科事典、辞書、新聞、雑誌、論文集、文学全集等
(l)データベースの著作物 情報の選択又は体系的な構成により創作性を有し、コンピューターにより検索できるもの(上記「編集著作物」を除く)



《注記》

※1 キャラクターは、小説や漫画等に登場する架空の人物や動物等の姿態、容姿、名称、役柄等の総称を指し、小説や漫画等の具体的表現から昇華した抽象的なイメージをいい、キャラクター自体はアイデアであり、具体的表現ではないため、著作物には該当しないとされています(中山信弘著「著作権法」有斐閣、2010年2月20日初版第5刷)。
 ただし、キャラクターが例えば漫画等の具体的表現に対しては著作物として著作権の対象となり得るとされています(同)。

※2 舞踏行為は、実演に該当し、著作隣接権(著作物の利用・流通の促進させるためにその伝達・媒介する者、具体的には実演家、レコード製作者、放送・有線放送事業者に与えられる権利)の保護を受けられます。

※3 書として具体的に表現されたものが著作物であり、その基礎となる字体は著作物ではありません。

※4 設計図は図形の著作物に該当します。

※5 ソースプログラムがコンパイラーで変換されたオブジェクトプログラムはソースプログラムの複製となります。



著作者

 著作物を創作した者が、創作の完成と同時に著作者となり、著作者の権利(人格的権利である著作者人格権、及び財産権であり譲渡可能な著作権)を取得します(無方式主義)。特許権等と異なり、権利を取得するための手続きは必要ありません。
 著作者は、原則として、思想・感情の表現を創作した自然人であり、具体的表現の実質的に寄与した者となるので、単独者であるのが一般的です。
 ただし、複数の者が共同して創作し、各人の寄与を分離して個別的に利用することができない共同著作物の場合には、その創作に寄与した全員が共同著作者となります。
章を分けて執筆された書籍等、楽曲と歌詞からなる音楽は、それぞれ、章ごと、楽曲と歌詞に分離して利用できるので、共同著作物ではありません。
 ただし、著作物の性質等により、例外として下記のような著作者が認められています。

職務上作成する著作物の著作者

 法人等の発意に基づきその法人等の従業者が職務上作成する著作物で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成時に契約、勤務規則等がない限り、その法人等となります。
したがって、新聞に掲載された記事の著作者はそれを発行した新聞社となりますが、所属する新聞記者等が所属する自己の署名のもと掲載する記事や論説等の著作者は、その新聞社ではなく、その記者となります。

映画の著作物の著作者

 映画の著作物の著作者は、映画の著作物において翻案・複製された小説、脚本、音楽等の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者となります。
 したがって、映画制作の資金提供者等は、創作そのものには寄与していないので、著作者とはなりません。
 ただし、その映画が職務著作となる場合は、著作者は、創作を行なった従業者ではなく、その法人となります。



著作者人格権

1.著作者人格権の内容

 著作者は、著作者人格権として、公表権、氏名表示権、同一性保持権を有します(表2)。
 これらの著作者人格権は、財産権である著作権と異なり、著作者の一身に専属し、譲渡することができません。したがって、著作者が死亡すれば、著作者人格権は消滅します。
 ただし、著作者を公衆に提供し、又は提示する者は、著作者の死亡後も、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をすることが禁止されます(その行為の性質・程度、社会的事情の変化等によりその行為が著作者の意思に反しないと認められる場合を除く)。

表2 著作者人格権の内容

公表権 未公表の著作物を公表するか否か、及び公表する場合にはその時期と方法を決定する権利
氏名表示権 著作物を公表する際に著作者名を表示するか否か、及び表示する場合には実名を表示するか変名を表示するかを決定する権利
同一性保持権 著作物の内容又は題号を他人が勝手に改変するることを禁止する権利



2.著作者人格権の制限

 表3の場合には、著作者人格権が制限されます。

表3 著作者人格権が制限される場合

公表権 行政機関等が情報公開法により公衆に提供等するときは、以下の場合には公表権は及びません。
①未公表の著作物を行政機関に提出した場合に、行政機関が情報公開法による「開示決定時」までに別段の意思表示をしなかった場合
②不開示とされた未公表の個人識別情報等・法人等の不利益情報等が、以下の情報である場合
・その不開示情報が人の生命、健康、生活、財産を保護するために公にすることが必要であると認められる情報
・個人が公務員等である場合にその情報がその職務の遂行に係る情報(個人識別情報等に対してのみ)
③行政機関等が、不開示情報が公益上、特に必要があると認めて開示を決定した場合
氏名表示権 以下の場合は、氏名表示権は及びません。
①情報公開法により行政機関が著作物を公衆に提供等するときに、既に著作者が表示しているところに従って著作者名を表示する場合
②個人識別情報の削除による著作者名の表示を省略する場合
同一性保持権 以下の場合は、同一性保持権は及びません。
①教育目的の利用
②建築物の増改築等の場合
③コンピュータープログラムの利用上の改変の場合
④その他やむを得ない場合



著作権

1.著作権の内容

 著作権は、他人に対して、自己の著作物の所定の利用行為を禁止できるという権利であり、その内容は表4のとおりです。
 著作権は、英語で”copyright”というように、本来的には、著作者以外の者が、許諾を得ずに複製することを禁止する権利ですが、それでは、著作物の種類によっては著作者の権利が十分保護できないため、著作物の種類に応じて適切な保護ができるように、複数の利用を禁止する権利(支分権)の束として構成されており、支分権ごとに譲渡可能です。
 ただし、著作権者と第三者の利益等を比較考量して一定の場合には著作権者の許諾なく著作物の利用ができて著作権の侵害とはならない著作権の制限(後記2項)が設定されています。

表4 著作権の内容

複製権 著作物の複製を禁止する権利である。
複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画等により有形的に再製する権利であり、次の行為も含まれます。
 ① 脚本等の演劇用著作物の場合は、その著作物を上演、放送・有線放送を録音・録画すること
 ② 建築の著作物の場合は、建築図面に従って建築物を完成すること
コピー機による機械的複製、図書の文章の書き写し、絵画の模写などが該当します。
有形的再製は、紙等への固定に限られず、ハードディスク等の記録媒体等に信号として固定する場合も含まれます。
複製には、多少の修正等がされていても、表現が同一性の範囲と判断されるものも含まれます。
上演権、演奏権 著作物を公衆に直接見せ又は聞かせることを禁止する権利です。
上演の対象となる著作物の典型はドラマ等の台本が該当し、演奏の対象となる著作物は音楽(歌詞や楽曲)が該当します。
上演には、演劇的なものではなく例えば講談、落語等も該当します。
上演・演奏には、録音・録画されたものの再生も含まれます。
「公衆」は、多数であれば(不特定ではなく)特定《注記》※1の者も含まれます。
上映権 映画に限らず著作物全般について公に上映することを禁止する権利です。
上映とは、映写幕等に映写することであり、パソコンのディスプレーに提示すること、映画のサウンドトラック音楽の再生も含まれます。
公衆送信権 著作物を公衆送信により受信機を用いて公に伝達することを禁止する権利です。
公衆送信には放送・有線放送・自動公衆送信(インターネット等のオンデマンド放送等)が含まれます。
さらに、自動公衆送信には、インターネット上のサーバーに著作物のデジタル情報をアップロードすることも含まれます。
口述権 言語の著作物を公に口述することを禁止する権利です。
口述には、口述で録音された著作物の再生も含まれます。対象となる著作物は主として小説、詩歌、論文などです。
展示権 美術・未発行の写真の著作物の「原作品」により公に展示することを禁止する権利です。
版画、鋳型による彫刻等のように同一物が複数存在する場合は、すべて原作品となります(作花文雄著「著作権法 制度と政策 第3版」社団法人発明協会、2008年4月30日)。
印画紙に印刷された写真は同様にそれらがすべて原作品となるが、未発行のもののみが禁止の対象となります。
頒布権 映画の著作物の複製物を公衆に譲渡・貸与することを禁止する権利です(映画以外の著作物は譲渡権・貸与権が付与されていることにより保護されています)。
頒布権の範囲には、公衆に該当しない特定者に限定した場合でも公衆への提示を目的として譲渡・貸与する行為も含まれ、1本の映画フィルムであっても対象となります。
なお、映画の著作物において複製されている著作物(例えば、映画音楽や美術作品)の複製物の著作者も映画の頒布権を有します。
譲渡権 映画を除く著作物の原作品・複製物を公衆に譲渡することを禁止する権利です。映画は頒布権により保護されているためです。
なお、譲渡権者等により適法に譲渡された原作品・複製物には、以後の譲渡には譲渡権は及びません(譲渡権の消尽)。 ただし、いわゆる還流レコードについて、それを知りながら頒布目的の輸入等の行為は、消尽の原則の例外として侵害とみなされます(後記みなし侵害の(9)参照)。
また、譲渡した原作品・複製物が侵害品(いわゆる海賊版)であった場合でも、過失なくそれを知らずに(いわゆる「善意・無過失」で)譲渡した場合には、譲渡権は及びません(後記みなし侵害の(2)も参照)。
貸与権 映画を除く著作物の複製物を貸与により公衆に提供することを禁止する権利です。映画は頒布権により保護されているためです。
翻訳権、翻案権等 著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、翻案等することを禁止する権利です。
二次的著作物の利用権 翻案等により原著作物に新たな創作が付加された二次的著作物を複製等による利用を禁止する権利であり、原著作者以外の者は原著作者の許諾を得なければ二次的著作物に対して複製等の利用ができません。
例えば、文学作品の著作物を映画化された映画を上映する場合は、その原作品である文学作品の著作者の許諾を得る必要があります。なお、映画製作者は、文学作品の著作物を映画化する時点においては、その文学作品の著作物の映画化について許諾を得る必要があります。



《注記》

※1 公衆に対する演奏等とは、一般的には駅前広場に集まった多数の不特定者を対象としたものが想定されるが、著作権法における公衆は、例えば、ビルの小さな一室のコンサート会場にチケットを購入して入場した聴衆が特定者となり、そのような特定聴衆に対する演奏等も禁止されます。
 なお、音楽教室で例えば音楽教師が受講料を支払って受講している生徒に向けて演奏する行為において、受講する生徒が特定者に該当し、著作者の許諾が必要となるか否かが争点となる裁判が提起されていたが、最高裁により許諾を得る必要があるとの判決が出されました(2022年10月24日)。



2.著作権の制限

 著作権者以外の者が著作者(著作権者)の許諾を得ずに著作物を利用できる行為は表5のとおりです。

表5 著作者の許諾を得ずに利用できる行為

個人的、家庭内等の限定された範囲内での利用 複製、翻訳・編曲・変形・翻案等
ただし、以下の複製は、除外されます。
①公衆提供自動複製機器による複製(レコードやビデオレンタル店等の音楽・ビデオ等の店頭ダビングに限定)《注記》※1
②コピープロテクション等回避装置による複製
③違法著作物であることを知りながら音楽・映像をインターネット上からダウンロード
④映画館等での私的使用目的の映画の盗撮(録画・録音)《注記》※2
なお、私的録音・録画装置のうち、政令で定めるデジタル方式の機器・記録媒体について著作権者へ補償金を支払う制度(私的録音録画補償金制度)《注記》※3が設けられています。
付随対象事物等の利用 いわゆる「写り込み」の場合の利用です。
付随対象事物等《注記》※4に係る著作物(付随対象著作物)を、正当な範囲内で複製・(複製を伴わない)伝達行為全般をすることができます《注記》※5
スクリーンショット・生配信・CG化などの行為、固定カメラによる創作性のない撮影などによる写り込みも含まれます。
付随対象著作物は、メインの被写体に付随する著作物であれば、分離困難でないものも対象となり、子供にぬいぐるみを抱かせて撮影する場合なども含まれます。
ただし、付随対象著作物の種類・用途、利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除かれます。
教育・学習目的等の利用 教師等、生徒等が授業で使用するための複製、翻訳・編曲・変形・翻案等ができます。
授業と関係ない自宅学習等の複製等は除外となります。
許諾等の検討の過程における利用 必要と認められる限度において、対象著作物を利用できます。
ただし、対象著作物の種類、用途、利用の形態に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除かれます。
著作物に表現された思想・感情の享受を目的としない利用 以下の場合に、必要と認められる限度において、対象著作物を利用できます。
① 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化の試験に供する場合
② 情報解析の用に供する場合
③ 著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく対象著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用等に供する場合以下に掲げる場合等
ただし、対象著作物の種類、用途、利用の形態に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除かれます。
図書館等での利用 (1) 図書館等《注記》※6は、以下の場合には、営利を目的としない事業として著作物を複製できます。
① 利用者の求めに応じ、その調査研究のために、公表された著作物の一部分の複製物を一人につき一部提供する場合
② 図書館資料の保存のために必要がある場合
③ 他の図書館の求めに応じ、絶版等により一般に入手が困難な図書館資料の複製物を提供する場合
(2) 一定の要件を満たした図書館等(特定図書館等)は、調査研究目的で、著作物の一部分について、権利者の利益を不当に害しない範囲で、複製し、公衆送信(メール送信)等を行うことができます。
 公衆送信された著作物を受信した利用者は、調査研究のために必要と認められる限度で、その著作物を複製することができます。
 ただし、公衆送信を行う場合は、特定図書館設置者は権利者に所定の方法・金額の補償金を支払わなければなりません《注記》※7
(3) 国会図書館は、以下の利用ができます。
① 資料の原本を公衆の利用に供することによる滅失、損傷、汚損等を避けるために原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を自動送信のため、電磁的記録を作成する場合は、必要と認められる限度において、対象著作物を記録媒体に記録すること。
② デジタル化した絶版等資料(3ヶ月以内に復刻等の予定があるものを除く)のデータを、事前登録した利用者に自動公衆送信(インターネット送信)すること、 及び国会図書館からの送信を受信した利用者は、自ら利用するために必要な限度で複製、公の伝達を行うこと。
引用 公表された著作物は、引用して利用することができます。
引用は、公正な慣行に合致し、かつ、報道、批判、研究等の目的上正当な範囲内で行い、かつ引用する著作物の出所を明示しなければなりません《注記》※8
ただし、国、地方公共団体の機関等が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書等は、禁止する旨の表示がある場合を除き、説明の材料として新聞紙、雑誌等に転載することができます。
教科用図書等への掲載 公表された著作物は、学校の目的上必要と認められる限度において、教科用図書等に掲載することができます。
ただし、著作者へその旨を通知し、著作権者へ所定の額《注記》※9の補償金を支払うことが必要です。
教科用図書代替教材の掲載 教科用図書に掲載された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書代替教材に掲載し、教科用図書代替教材の使用に伴って利用することができます。
ただし、事前に教科用図書発行者にその旨を通知し、かつ所定の額《注記》※10の補償金を著作権者に支払うことが必要です。
教科用拡大図書作成目的の複製 教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害等の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童・生徒の学習の用に供するため、その教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大等の児童・生徒がその著作物を使用するために必要な方式により複製することができます。
ただし、事前に教科用図書発行者にその旨を通知し、かつ営利目的の場合は所定の額《注記》※11の補償金を著作権者に支払うことが必要です。
学校教育番組の放送等 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、所定の学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送、有線放送、その放送を受信して同時に専らその放送対象地域において受信されることを目的に自動公衆送信を行い、及びその放送・有線放送の番組用の教材に掲載することができる。
ただし、その旨を著作権者に通知し、相当な額の補償金を著作権者に支払うことが必要である。
学校等教育機関での複製等 学校等の教育機関で教育の担任者、授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的にする場合は、必要と認められる限度において、公表された著作物の複製・公衆自動送信、公表された著作物であって公衆送信されたものを受信装置を用いて公に伝達することを行うことができる。
ただし、著作物の種類、用途、複製の部数、複製・公衆送信・伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する異なる場合は除外となります。
公衆送信を行う場合は、それを行う教育機関設定者は相当な額の補償金を支払う必要があるが、授業の過程において、授業を直接受ける者に対して著作物の原作品・複製物を提供・提示して利用する場合、非営利目的で上演・演奏・上映・口述して利用する場合において、授業が行われる場所以外の場所で同時にその授業を受ける者に対して公衆送信を行うときには、補償金を支払う必要はありません。
試験問題としての利用 公表された著作物は、入学試験等の他人の学識技能に関する試験、検定の目的上必要と認められる限度において、試験・検定の問題として複製、公衆送信を行うことができます。
ただし、著作物の種類・用途、公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除外となります。
営利目的で複製・公衆送信を行う場合は、通常の使用料額相当額の補償金を著作権者に支払う必要があります。
視覚障害者等のための複製等 公表された著作物は、①点字による複製、②電子計算機を用いて点字を処理する方式によって、記録媒体への記録又は公衆通信、を行うことができます。
視覚障害者等の福祉の関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された視覚著作物《注記》※12について、視覚障害者等が必要と認められる限度において、文字を音声にするなど必要な方式により、複製又は自動送信することができます。
ただし、その視覚著作物について、著作権者等によりその方式による公衆への提供・提示が行われているときは除外となります。
聴覚障害者のための複製等 聴覚障害者等の福祉の関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された聴覚著作物《注記》※13について、聴覚障害者等が必要と認められる限度において、文字を音声にするなど必要な方式により、複製又は自動送信することができます。
ただし、その聴覚著作物について、著作権者等によりその方式による公衆への提供・提示が行われているときは除外となります。
非営利目的の上映等 (1) 営利を目的とせず、聴衆又は観衆から料金を受けない場合は、以下の行為を行うことができます。
① 公表された著作物を公に上演し、演奏し、上映し、又は口述すること
 ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、除外となります。
② 放送される著作物を、有線放送し、又は地域限定特定入力型自動公衆送信を行うこと
③ 放送され、有線放送され、特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等(放送又は有線放送が終了した後に開始されるものを除く。)が行われる著作物を、受信装置を用いて公に伝達すること(通常の家庭用受信装置を用いてする場合も含む)
④ 公表された著作物(映画の著作物を除く。)を、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供すること
(2) 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設等(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するために音声を文字等に変換する複製に限り、営利を目的として当該事業を行うものを除きます。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができます。
 ただし、頒布を行う者は、その映画の著作物等の頒布権者等に相当な額の補償金を支払う必要があります。
時事問題に関する論説の転載等 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、利用禁止の表示がなければ、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、放送し、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、放送同時配信等を行うことができ、また、放送等された論説は受信装置を用いて公に伝達することできます。
 ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、除外となります。
政治上の演説等の利用 公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、利用することができます。
時事事件報道目的の利用 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができます。
裁判手続等における利用 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができます。
 ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外となります。
行政庁等が行う審査等の手続も同様であり、例えば、特許庁で行われる特許等に関する審査の手続において、審査に必要な先行技術文献等としての著作物を複製することができます。
情報公開法等による開示目的の利用 行政機関の長等は、行政機関情報公開法、情報公開条例等の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、法令等に規定する方法により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができます。
公文書管理法等による保存等目的の利用 国立公文書館等の長は、公文書管理法又は公文書管理条例の規定により歴史公文書等を保存することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、当該歴史公文書等に係る著作物を複製でき、また公衆に提供・提示することを目的として、必要と認められる限度において利用することができます。
国立国会図書館法によるインターネット資料・オンライン資料収集目的の複製 国立国会図書館の館長は、インターネット資料、オンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料等に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができます。
また、国立国会図書館の求めに応じてインターネット資料等を提供する場合には、必要と認められる限度において、複製することができます。
放送授業者等の一時的固定 放送事業者は、公衆送信権者を害することなく放送し、又は放送同時配信等することができる著作物を、自己の放送又は放送同時配信等のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送し、若しくは放送同時配信等することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができます(有線放送事業者、有線同時配信事業者等も同様)。
ただし、録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送、有線放送又は放送同時配信等があつたときは、政令で定める場合を除き、その放送、有線放送又は放送同時配信等の後六月)を超えて保存することができません。
美術著作物等の原作品所有者による展示 美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができます。
ただし、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、除外となります。
したがって、例えば、彫刻製物像等の所有者は、原作品を美術館等に展示する場合は著作者(著作権者)に無断で行うことができるが、公園等に設置する場合には著作者の許諾が必要となります。
公開の美術着物等の利用 美術の著作物でその原作品が屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、複製や複製物の譲渡等に相当する行為を除き、利用することができます。
したがって、例えば、(著作者の許諾を得て)公園に設置された彫刻製物像は写真撮影することができるが、その物像を複製(増製)、複製物の販売することはできません。
なお、自由利用の対象とされているのは美術の著作物のみであり、写真(の原作品)は対象ではないため、例えば、ビルの外壁に展示されている写真を撮影する場合は注意する必要がある。すなわち、撮影された写真が外壁写真著作物の複製の個人的利用等、又は外壁写真著作物が撮影された写真の写り込みとしての自由利用の範囲内とならなければ、外壁写真著作者の許諾が必要となります。
美術著作物等の展示に伴う複製等 美術の著作物又は写真の著作物の原作品の展示者は、観覧者のためにこれらの展示著作物の解説若しくは紹介をすることを目的とする小冊子に当該展示著作物を掲載し、上映し、自動公衆送信を行うために必要と認められる限度において、当該展示著作物を複製することができ、また、展示著作物の解説を目的として、必要と認められる限度で展示著作物を上映し、自動公衆送信することができ、さらに、展示著作物の所在に関する情報を公衆に提供するために必要と認められる限度において、当該展示著作物について複製し、又は公衆送信を行うことができます。
ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製等の部数や態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外となります。
美術著作物等の譲渡等の申出に伴う複製 美術の著作物又は写真の著作物の原作品・複製物の所有者は、その原作品・複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信を行うことができます。
ただし、当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うことが条件となります。
プログラム著作物の複製物所有者による複製等 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができます。
ただし、プログラム著作物の複製物の所有者は、その複製物又はそれから作成された複製物のいずれかが滅失以外の事由により所有権を有しなくなった後は、著作権者の別段の意思表示がなければ、その他の複製物を保存することはできません。
電子計算機における著作物利用に付随する利用等 電子計算機における利用に供される著作物は、以下に例示される場合等には、その必要と認められる限度において、利用することができます。
 ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外となります。
(1)当該著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合
①電子計算機でプログラムを実行する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされるプログラムを当該送信を受信して実行する場合において、 これらの実行のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑又は効率的に行うために当該プログラムを当該電子計算機の記録媒体に記録するとき
②自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該他人の自動公衆送信の遅滞若しくは障害を防止し、又は送信可能化された著作物の自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うために、 これらの自動公衆送信のために送信可能化された著作物を記録媒体に記録する場合
③情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合において、当該提供を円滑又は効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うことを目的として記録媒体への記録又は翻案を行うとき
(2)当該著作物の電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し、又は当該状態に回復することを目的とする場合
①記録媒体を内蔵する機器の保守又は修理を行うために当該機器の内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録する場合
②記録媒体を内蔵する機器をこれと同様の機能を有する機器と交換するためにその内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同様の機能を有する機器の内蔵記録媒体に記録する場合
③自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該自動公衆送信装置により送信可能化された著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供するために当該著作物を記録媒体に記録するとき
電子計算機における情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等 (1)電子計算機を用いた情報処理により新たな知見又は情報を創出することによつて著作物の利用の促進に資する以下に掲げる行為を行う者は、公衆への提供等が行われた著作物(「公衆提供等著作物」)について、 列挙された行為の目的上必要と認められる限度において、行為に付随して、軽微利用《注記》※14を行うことができます。
ただし、当該公衆提供等著作物に係る公衆への提供等が著作権を侵害するものであることを知りながら軽微利用を行う場合その他当該公衆提供等著作物の種類及び用途並びに当該軽微利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外となります。
①電子計算機を用いて、検索情報が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること
②電子計算機による情報解析を行い、及びその結果を提供すること
③電子計算機による情報処理により、新たな知見又は情報を創出し、及びその結果を提供する行為であつて、国民生活の利便性の向上に寄与するものとして政令で定めるもの
(2)上記(1)列挙の行為の準備を行う者は、公衆提供等著作物について、軽微利用の準備のために必要と認められる限度において、複製若しくは公衆送信を行い、又はその複製物による頒布を行うことができます。
ただし、公衆提供等著作物の種類及び用途並びに当該複製又は頒布の部数及び当該複製、公衆送信又は頒布の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外となります。
翻訳、翻案等による利用 以下の各項目の行為により著作物を利用することができる場合には、その著作物について、各項目に列挙した方法による利用をを行うことができます。
(a)私的使用のための複製(デジタル録音・録画機器のよる録音。録画を除く)、教科用図書への掲載、学校教育番組の放送、学校その他の教育機関における複製等、電子計算機における情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等の(2)のみ ・・・翻訳、編曲、変形、翻案
(b)付随対象著作物の利用、プログラム著作物の複製物の所有者による複製等・・・翻訳
(c)図書館等における複製等、引用、試験問題としての複製等、視覚障害者等のための複製等、時事問題に関する論説の転載等、政治上の演説等の利用、時事の事件の報道等のための利用、裁判手続等における複製・・・変形、翻案
(d)教科用図書代替教材への掲載等、教科用拡大図書等の作成のための複製等、美術の著作物等の展示に伴う複製等・・・翻訳、変形、翻案
(e)視覚障害者等のための複製等・・・翻訳、翻案
(f)聴覚障害者等のための複製等・・・翻案



《注記》

※1 スーパーやコンビニに設置されている文書・図面等専用複写機器による私的使用目的の複製は、特例により当分の間、許諾なく自由利用が可能となっています(現在)。

※2 著作権法ではなく「映画の盗撮の防止に関する法律」に規定されています。

※3 私的録音録画補償金制度の概要

・趣旨・・・私的複写は本来自由に行えるものであるが、音質・画質の劣化のないデジタル録音・録音機器等の普及による著作権者が受ける不利益を補償すべく導入されました。

・支払い対象機器・記録媒体
  録音機器・記録媒体・・・DAT, DCC, MD, CD-R
  録画機器・記録媒体・・・DVCR, D-VHS, MVdisk, CVD-R, DVD-RAM, Blu-ray

・補償金の請求、分配方法・・・集中管理方式を採用
 利用の都度、個々の利用者が個々の権利者に支払うことは現実的に困難であることから、文化庁長官指定の管理団体が、個々の利用者が機器・媒体を購入する際に、製造業者・販売業者を介して所定の方法により算出された補償額を請求、受領し、所定の方法・金額で著作権者団体等に分配することしています。
 なお、私的録音録画機器補償金を支払ったデジタル録音録画機器ユーザーは、使用した機器等が専ら私的録音録画以外に使用したものであること証明して、支払った補償金の返還を請求することができます。

※4 「付随対象事物等」・・・事物の影像・音を複製・(複製の伴わない)伝達行為を行うに当たってその事物・音(メイン対象物)に付随して対象となる事物・音。

※5 従来は、利用行為が写真撮影・録画・録音であり、著作物の創作する場合に限定されていたが、令和2年法改正により、広範囲な利用行為に拡大され、著作物の創作である必要もなくなりました。

※6 国立国会図書館、図書・記録・資料等を公衆の利用に供することを目的とする図書館等

※7 現実には、補償金は、コピー代と同様、基本的に利用者が図書館等に支払うこととなります。

※8 明示は、著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により行わなければなりません。

※9 著作物の種類・用途、通常の使用料の額等を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額

※10 著作物の利用の態様及び利用状況、教科用図書等への掲載の場合の補償金の額等を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額

※11 教科用図書等への掲載の場合の補償金の額に準じて文化庁長官が定める算出方法により算出した額

※12 公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、 当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。)

※13 聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、 当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。)

※14 その公衆提供等著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものに限ります。



3.保護期間

開始時 創作時(原則)
満了時 死後又は公表後70年経過時《注記》※1

《注記》

※1 保護期間の満了時を計算するときは、著作者の死亡日又は著作物の公表日・創作日のそれぞれ属する年の翌年から起算します。
 したがって、例えば著作者が1953年3月15日に死亡した場合には、その著作者の著作権の保護期間の始期は1954年1月1日0時00分となるため、 終期は2023年12月31日が終了した時点であり、2024年1月1日0時00分となった時点で著作権が消滅し、自由に複製等を行うことができるようになります。
 我が国では、和暦を採用しているため、著作者の死亡年、著作物の公表時が和暦で表記されている場合には、存続期間の満了時の特定のために、和暦ー西暦変換のページをご利用ください。



著作隣接権

 実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業に著作隣接権を付与し、保護を図っています。

1.実演家の権利

 実演とは、著作物を演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずることをいい、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含みます。
 実演家とは、俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいいます。
 実演家の権利は、実演家人格権と著作隣接権となります。
 実演家の権利では、いわゆる「ワンチャンス主義」が採用されていることが特徴です。
 ワンチャンス主義とは、映画において許諾して録音・録画された実演については、映画として複製することについては、以後の著作隣接権を有しなくなるというものです。
すなわち、実演家は最初の映画の出演の際に利益を一括徴収し、それ以降の利用については権利主張や利益の徴収ができなくなるというものです。
 ただし、録音物のみを録音する場合は除外されます。例えば、音楽のみを分離してサントラ版CDを作成する場合などです。

実演家人格権

 実演家人格権(表6)も、著作者人格権と同様に実演家の一身に専属し、実演家の人格的利益を保護するため、譲渡することができません。

表6 実演家人格権

氏名表示権 実演の公衆への提供・提示に際し、氏名・芸名等を実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利
同一性保持権 実演の同一性を保持し、自己の名誉・声望を害するその実演の変更、切除その他の改変を受けないものとする権利


財産権

 実演家の有する財産権としての著作隣接権は表7のとおりです。

表7 実演家の財産権としての著作隣接権

録音・録画権 実演を録音・録画する権利
放送権・有線放送権 実演を放送・有線放送する権利
送信可能化権 実演を送信可能化する権利
特定実演家が固定物等による放送同時配信等に対する通常使用料相当額を受ける権利 初回の放送同時配信等の許諾を行なった者は、許諾を得た放送事業者が作成した録音・録画固定物(集中管理等が行われておらず、円滑に許諾を得られないと認められる映像実演) を用いて2回目以降の放送同時配信等を行った場合に、特定実演家が放送事業者等から通常使用料相当額を受ける権利
連絡が取れない特定実演家が固定物等による放送同時配信等に対する補償金を受ける権利 初回の同時配信等の許諾を得てない実演家と捜索しても連絡が取れない実演の録音・録画が再放送された場合の通常使用料相当額《注記》※1を、その実演者が著作権等管理事業者から受ける権利
放送される実演の有線放送の報酬請求権 有線放送事業者が放送される実演を有線放送した場合に、実演家が有線放送事業者からの相当な額の報酬を受け取る権利
商業用レコードに録音されている実演の放送同時配信等に対する補償金を受け取る権利 集中管理等がされておらず、円滑に許諾を得られないと認められる実演についての通常使用料相当額の補償金を実演家が受け取る権利
商業用レコードの二次使用料請求権 放送事業者・有線放送事業者が商業用レコードを用いた放送・有線放送を行つた場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行つた場合を除く。)に、実演家が放送事業者・有線放送事業者から二次使用料を受け取る権利
譲渡権 実演の録音物・録画物の譲渡により公衆に提供する権利
貸与権等 最初の発売日の一定期間(最初の発売日から起算して1ヶ月以上12ヶ月を超えない期間)内は、実演が録音されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を有します。
その期間経過後は、貸しレコード業者が商業用レコードを貸与した場合には、相当額の報奨金を受け取る権利を有します。



《注記》

※1 初回の同時配信等の許諾を得ていない放送事業者は、実演家と連絡するための所定の措置を講じても連絡がつかない場合は、文化庁長官指定の管理事業者に通常の使用料相当額を支払うことにより、事前の許諾なく放送同時配信等を行うことができます。



2.レコード製作者の権利

 レコードとは蓄音機用音盤、録音テープその他の物(以下「媒体」)に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいい、音が著作物であるか否かは必要でありません。 また、レコードは音が固定された有体物そのものではなく、有体物に固定された音の総体を意味します。
 レコード製作者とはレコードに固定されている音を最初に固定した者をいいます。
 レコード製作者の権利は表8のとおりです。

表8 レコード製作者の権利

複製権  レコードを複製する権利です。
 レコードの複製とは、元の媒体に固定された音の総体を他の媒体に固定することです。 したがって、他人は、原則としてレコード製作権者の許諾なく、レコードに固定された音の総体を他の媒体に固定することができません。
送信可能化権  レコードを送信可能化する権利です。
商業用レコードの放送同時配信等に対する補償金を受け取る権利  集中管理等がされておらず、円滑に許諾を得られないと認められる商業用レコードについての通常使用料相当額の補償金をレコード製作者が受け取る権利です。
商業用レコードの二次使用料請求権  放送事業者・有線放送事業者が商業用レコードを用いた放送・有線放送を行つた場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行つた場合を除く。)に、レコード製作者が放送事業者・有線放送事業者から二次使用料を受け取る権利です。
譲渡権  レコード製作者がそのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利です。
貸与権  最初の発売日の一定期間(最初の発売日から起算して1ヶ月以上12ヶ月を超えない期間)内は、商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を有します。
その期間経過後は、貸しレコード業者が商業用レコードを貸与した場合には、相当額の報奨金を受け取る権利を有します。



3.放送事業者の権利

 放送とは公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいい、放送事業者とは放送を業として行う者をいいます。
 放送事業者の権利は表9のとおりです。

表9 放送事業者の権利

複製権 有線放送を受信して、その有線放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利
再放送権・有線放送権 放送を受信してこれを再放送し、又は有線放送する権利
送信可能化権 放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して、その放送を送信可能化する権利
テレビジョン放送の伝達権 テレビジョン放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利



4.有線放送事業者の権利

 有線放送とは公衆送信のうち、公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいい、有線放送事業者とは有線放送を業として行う者をいいます。
 有線放送事業者の権利は表10のとおりです。

表10 有線放送事業者の権利

複製権 放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、その放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利
放送権・再有線放送権 有線放送を受信してこれを放送し、又は再有線放送する権利
送信可能権 有線放送を受信してこれを送信可能化する権利
有線テレビジョン放送の伝達権 有線テレビジョン放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその有線放送を公に伝達する権利



5.保護期間

 著作隣接権の存続期間は、表11のとおりです。

表11 著作隣接権の存続期間

開始時 (a) 実演:実演を行なった時
(b) レコード:音を最初に固定した時
(c) 放送・有線放送:放送・有線放送を行なった時
満了時 (a) 実演:実演が行われた日の属する年の翌年から起算して70年を経過した時
(b) レコード:発行が行われた日の属する年の翌年から起算して70年を経過した時
(c) 放送・有線放送:放送・有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時



著作権のみなし侵害

 著作権者の許諾なく著作物について前記著作権の内容の禁止行為を行うと、著作権の制限に該当する場合を除き、著作権の侵害に該当し、民事責任(差止請求、損害賠償請求)を負うほか、場合によっては刑事罰(懲役、罰金)の対象となります。
 しかし、著作権侵害を上記禁止行為に限定すると、著作権者の利益が十分保護されないことから、著作権法では、上記禁止行為以外の一定の行為も著作権の侵害行為とみなすことしています。 このように拡大された著作権侵害(行為)をみなし侵害(行為)といいます。
 以下、みなし侵害に該当する行為について説明します。

(1)頒布目的の侵害複製物輸入行為

 頒布目的で、輸入の時に国内作成したと仮定すれば侵害複製物となるものを輸入する行為です。

(2)侵害複製物の頒布・頒布目的所持

 著作権等の侵害品(海賊版)であることを知りながら、頒布、頒布目的で所持、頒布の申出、業として輸出・輸出目的の所持をする行為が該当します(前記著作権の内容の「譲渡権」参照)。
知った時点については、入手する時点では海賊版と知らなかったとしても、その後知った場合も該当します。
 「業として」とは、営利目的の有無を問わず、反復継続して行われる行為が該当します。

(3)リーチサイト・リーチアプリ《注記》※1において侵害コンテンツへのリンクの提供行為、リーチサイト運営行為・リーチアプリ提供行為

 漫画・雑誌などの海賊版コンテントの被害が膨大(例えば、「漫画村」では約3,000万円(権利者団体による調査・推計))のほか、写真集、文芸書、専門書等、分野を・種類をかかわらず被害が多いことから、令和2年著作法改正により導入されたものです(後記(4)項も同趣旨)。
 これらの行為において、侵害著作物等であることを知っていた場合又は故意・過失がある場合が該当します。また、これらの行為が行われている場合に、侵害コンテンツ利用容易化防止化措置が技術的に可能であるにもかかわらず、防止化措置を行わない場合も該当します。
 ただし、自ら直接的にリーチサイト運営行為、リーチアプリ提供行為を行なっていない「プラットフォーム《注記》※2サービス提供者」は除外されますが、著作権者等からのリンク削除要請を正当な理由なく相当期間放置している場合などはみなし侵害に該当します。

《注記》

※1 リーチサイト・リーチアプリ

① 侵害コンテンツのサイト(海賊版サイト)に公衆を殊更に誘導するウエブサイト・アプリ

② 主として公衆による侵害コンテンツの利用を目的としたウエブサイト・アプリ

※2 プラットフォーム リーチサイトを含む相当数の一般的なウェブサイトを包括している汎用的なウェブサイト
(例)ユーチューブの特定のチャンネルがリーチサイトに該当する場合のユーチューブ全体を管理するGoogle


(4)侵害コンテンツであることを知りながらダウンロードする行為

 音楽、映像だけでなく著作物全般について私的使用目的のダウンロードであっても侵害とみなされるので、ネットユーザーはご注意ください。
 ただし、下記のダウンロードは除外されます。

①「軽微なもの」
 例えば、数十ページの漫画の1コマ〜数コマ程度、長文の論文等の1行〜数行、等が該当します。

② 二次創作者等が原作品の著作権者の許諾なくアップロードした二次創作・パロディー
 なお、二次創作等の原著作物に対しては侵害とはなりませんが、第三者が二次創作物を二次創作者等の許諾なく(違法に)アップロードされたものである場合は、二次創作者の権利を直接侵害しているため、違法となることに留意する必要があります。

③ 著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合

④ 重過失によって違法コンテンツであることを知らなかった場合

(5)侵害されたものであることを知って取得した複製プログラムを業務上電子計算機で使用する行為

 「業務上」とは、営利・非営利を問わず、反復して行う事業であり、企業に限らず、学校や行政機関、個人事業も含みます。
 複製プログラムには、みなし侵害に該当する輸入行為による複製プログラム(前記1項)およびその所有者により私的使用目的のために複製されたバックアッププログラムに加えて、侵害プログラムの所有者が私的使用目的のためにバックアップ用として作成した複製プログラムも含みます。

(6)技術的利用制限手段の回避を行う行為

 ただし、技 術的利用制限手段に係る研究又は技術の開発の目的上正当な範囲内で行われ る場合その他著作権者等の利益を不当に害しない場合は除外となります。

(7)技術的保護手段の回避又は技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とする指令符号を、公衆へ譲渡・貸与し、公衆への譲渡・貸与の目的をもつて製造・輸入、所持、公衆の使用に供し、又は公衆送信・送信可能化する行為

 いわゆるライセンス認証などを回避するための不正なシリアルコードを販売、貸与等する行為が該当します。

(8)権利管理情報について下記の行為をすること

  • ① 虚偽の情報を故意に付加すること
  • ② 故意に除去・改変すること
  • ③ 上記①又は②の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、その行為が行われたことを知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化すること

(9)還流レコードであることを知って、国内頒布目的で、還流レコードを輸入、頒布、所持する行為

 国内で販売するレコードの譲渡権は適法な譲渡によりそれ以後は精進しますが、外国で適法に譲渡されたレコードが逆輸入されるとレコード製作者に不利益が生じることから禁止することとしたものです(前記著作権の内容の「譲渡権」参照)。
 ただし、国内頒布目的商業用レコードの頒布による利益が不当に害される場合、国内頒布目的商業用レコードが国内で最初に発行された日から4年を経過した場合は除外となります。

(10)著作者の名誉・声望を害する方法による著作物利用行為

 このような行為は、著作者人格権を侵害する行為とみなされます。

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